炎症(えんしょう)について

 2022.07.19

炎症という言葉はよく聞くと思います。実際に体でどんな状態のことを言うのかを分かりやすく説明したいと思います

炎症がどういうものかわかると、漢方薬だけでなく、普段お世話になっている西洋薬の薬の説明なども少し理解できるようになると思います

目次

  1. なぜ炎症がおきるのか
  2. 炎症の五徴候(ごちょうこう)
  3. 抗炎症薬について

なぜ炎症がおきるのか

体の中に細菌やウイルスなどの悪いやつが入った時や外側から皮膚を傷めつけた時(火傷や打撲など)に体の中にいるいろいろな物質たちが力を合わせて治そうと頑張っている最中が炎症がおきている状態です

体内の物質たちが治してくれると、体内から集まって頑張ってくれていた物質たちは解散していなくなるので炎症は収まり元気になります

炎症の五徴候(ごちょうこう)

簡単に説明するので実際とちょっとニュアンスが違うこともありますが、ザックリいうとこんな感じです

  • 発赤(ほっせき)
  • 熱感(ねっかん)
  • 腫脹(しゅちょう)
  • 疼痛(とうつう)
  • 機能障害(きのうしょうがい)

発赤は赤くなることですが、血液にはいろいろな物質や栄養がたくさん入っているので、毛細血管に血液がたくさん早く治そうと集まってきたから赤いんです

熱感は熱くなっていることで、発赤と同じで血液が集まって治そうと頑張ってくれています、悪いやつは熱に弱いので熱くすることでやっつけることもできます

腫脹は腫れることです、血管が広がることでたくさんの血液が早く到着しますが、広がると血管の隙間から液体が漏れ出ることで水分が一時的に溜まります、これが浮腫です

疼痛は痛みです、痛みがあると人はあまり動かさないので悪いところを保護できます、体内を治す物質たちにココが痛いから早く治してねと教えることもしています

機能障害は上の4つのせいで動かせなくなったり、その機能が使えなくなったりして障害が出ている状態です

この5つをあわせて炎症の五徴候といいます

炎症がおきると「この5つになるよ」ってことです

抗炎症薬について

飲み薬や塗り薬などで抗炎症薬というのがあります

これは、炎症を抑える効果がある薬ということです

赤くなる、熱を持つ、腫れる、痛いの症状がでる物質を早く解散させてしまう薬です

注意することは、炎症がおきているということは体に悪いヤツが入ったりして体の中の物質たちが緊急事態で集合したのを、薬が解散していいよって言ってしまうことなので悪いヤツが少し長く居座ることになる可能性があります

抗炎症薬は体に悪いヤツが入ったことよりも痛みなどがツラいと感じるときに飲む薬です

これに対して抗生剤は悪いヤツをやっつけることで自然と炎症を起こす物質たちを早く解散させるものです