魚釣り

杖の使用と介助で歩行が可能な方の、ご同行をさせていただきました

旅行のスケジュール

ご自宅  → 魚釣り → ご自宅

午後から、2時間程度のお出かけです
今回の依頼者は、脳梗塞になる前までは釣りが趣味だったそうで、できるなら釣りをもう一度やってみたいとご依頼をいただきました

今回は私が魚釣りの知識がないので、魚釣りが趣味の知人にお手伝いをお願いしました
まずは、知人と一緒にご自宅にお伺いし、釣り道具を納屋から出す手伝いをします

準備が整ったら、タクシーで移動開始
近くの川で今回は鯉を釣る予定です
ご依頼者様が昔、鯉を釣りに行っていた川で、川の近くまで車で行けて、川岸までの距離が短いところです
鯉はいるけど、滅多に釣れないと依頼者様と川の近所に住んでいる方(依頼者様の知人)から聞いておりました

10分程度で川岸に到着し、依頼者様には車で待機していただき、椅子を設置してから移動をしていただき、すぐに座っていただきました
短い距離でしたが、足場が悪い下り坂でしたので、ゆっくりと介助しながら進みました

その間に知人が利用者様ご持参の釣竿を運び、釣りができるように糸を通して針をつけて準備をしてくれました
針の先には、昔ご自身で手作りされた疑似餌がついています

座ったまま、数年ぶりの釣りの開始です
振り上げたときに体のバランスが崩れないように、腰を支えさせてもらいました

一度目はうまく遠くに投げられず、クルクルとリールを巻いて回収
手も以前のようにうまく使えなかったけれど、釣竿をお腹で支えたりと工夫をしています
何度か投げると昔を思い出してきたのか、遠くまで針を投げ入れることができました

その後は投げては針を戻し、また投げると繰り返し1時間半・・・
太陽が夕日になってきたので、そろそろ帰宅時間です

結果は残念ながらなにも釣れませんでしたが、依頼者様が『久しぶりに釣りしたけど、楽しいなぁ』と何度も言いながら釣りをされていたのが印象的でした
釣れなかったけど、楽しかった?と聞くと、『いや~、釣りをしながら過ごす、この時間がいいんだ』とおっしゃり、素敵な笑顔を見せてくださいました

知人に釣り道具を片付けてもらって二人で坂をゆっくりと上がります
休憩をしながら少しづつ上がり、車に乗りこんだところで下見をしたときに話を聞いた依頼者の知人の方が様子を見に来てくださいました

その方から、川で採った「エビ」と「ザリガニ」をいただきました
依頼者様は『懐かしいなぁ』と帰りの車の中で、若いときは川で採ったものがご馳走だったと教えてくださいました

帰宅をして車を降りるとさすがに疲れていたので、足取りが不安定でしたので玄関まで介助しながら進みました
帰り際に「エビ」と「ザリガニ」をどうするか聞くと、『自分では料理できないから持っていけ』とおっしゃったので、知人がいただくことにしました

費用は19,220円でした

タクシー代      7,220円(15分、往復)
旅行介助費     12,000円(1時間3000円、2時間)
      (知人と二人分の介助費)

この旅行には続きがあります
知人が持って帰った「エビ」と「ザリガニ」、知人が「エビの素揚げ」と「茹でザリガニ」にして、ザリガニは食べやすいように身を出してくれましたので、出来たての「エビの素揚げ」と「ザリガニの身」をご依頼者様にすぐに届けました
ご依頼者様は、『懐かしい、美味しい』と少しの量でしたが、喜んで食べてくださいました

何も釣果がなかった釣りでしたが、釣りをする時間を楽しみ、若い時に食べた懐かしいエビやカニを食べて、とても満足な半日だったようです
帰り際には、『来年また行きたい、行けるように足を鍛えるように散歩をする』と嬉しい言葉もいただきました
旅行は心を元気にしてくれます、そして目標があるから面倒でツラい運動やリハビリを頑張ることができるのです